子どもが野球を始めることになって、最初にぶつかるのがグローブ選びです。
スポーツ店に行くと、同じような形のグローブが何十個も並んでいます。値段は5,000円から3万円まで。サイズは「S」「M」「L」だったり「8」「9」という数字だったり、メーカーごとにバラバラです。
店員さんに聞けば教えてくれますが、「どうせすぐ大きくなるから、少し大きめを」とすすめられることも少なくありません。
この記事では、なぜ「大きめ」を選ぶと失敗するのか、そして学年ごとにどのサイズを選べばいいのかを、メーカーの公式サイズ表をもとに整理します。
結論:サイズは「今の手」に合わせる。大きめは買わない
先に結論からお伝えします。
- 今ちょうど良いサイズか、大きくて1サイズ上まで
- 2サイズ以上大きいものは選ばない
- 迷ったら小さい方を選ぶ
理由は次の章で説明します。
なぜ「大きめ」で失敗するのか
「1年で身長が伸びるから、大きめを買って長く使おう」——親としては自然な発想です。
ですが、グローブに関してはこれが逆効果になります。
① ボールが捕れなくなる
グローブは、手を入れて指で操るものです。大きすぎると、手首から先をコントロールできません。
その結果、ボールがポケット(グローブの中心のくぼみ)に収まらず、弾いてしまいます。
② ゴロが捕れない
内野を守るとき、大きすぎるグローブは地面すれすれに構えるときの邪魔になります。「捕れない」経験が続くと、子どもは守備が嫌いになります。
③ 変なクセがつく
捕れないぶんを補おうとして、体の使い方が歪みます。このクセは、後から直すのに時間がかかります。
道具が合っていないだけで「下手な子」に見えてしまう——これが一番もったいないところです。
【体験談】実際に子どもに使わせてみて
ここからは、この記事を書いている私自身の話です。小学4年生の夏に、子どもの最初のグローブを買いました。1年使った今、振り返ってみます。
——最初のグローブは、どうやって選びましたか?
サイズは、もっぱらお店の人に見て合わせてもらいました。値段はある程度覚悟していたので問題なし。色や見た目は、子どもに任せました。そのほうがモチベーションアップに繋がるからです。
ミズノのやわらかめのグローブ(WILL DRIVE)を買って、しっかり店員さんに型付けをしてもらいました。
——「大きめ」は選ばなかったのですね。
感覚的には大きめというより、買った時点でちょうどよいサイズでした。
——やわらかさは、捕りやすさに繋がりましたか?
買ってすぐ、普通に捕れていました。硬さで苦労した記憶がありません。
実際に守備がどんどんうまくなって、当初はライト、レフトというポジションでしたが、約1年が経過した今は、ファーストやキャッチャーを守らせてもらっています。
——今振り返って、一番大事だったことは?
現状使いやすいものを選んで、守備練習でボールをキャッチする楽しさや自信をつけさせてあげること——それが大事だったんだと、今になって思っています。
補足:なぜ「やわらかめ」で捕りやすかったのか
後から調べて分かったのですが、これは偶然ではありませんでした。
ミズノの少年軟式用「WILL DRIVE」シリーズは、フレックス構造で開閉しやすく設計されています。さらに、2つのタイプがあります。
- BLUE(テクニック)…折り筋で「曲げるポイント」が分かりやすく、少年でも扱いやすい型
- RED(パワー)…小指袋に小指と薬指の2本を入れる構造で、少年の小さい力でも握り込みやすい
つまり「少年が捕りやすいように」メーカーが意図して作ったグローブだった、ということです。
適正サイズ + 少年向けの柔らかい設計 + 店での型付け——この3つが揃うと、買った初日から捕れる状態になります。
学年別・サイズの目安
メーカーが公表しているサイズ表をもとに、目安をまとめます。
ゼット(ZETT)の場合
ゼットは身長・年齢・手の大きさの3つで目安を示しています。もっとも分かりやすい表記です。
| サイズ | 身長の目安 | 年齢の目安 | 手の大きさ |
|---|---|---|---|
| SS | 〜120cm | 7歳 | 13cm |
| S | 120〜135cm | 8〜9歳 | 14cm |
| M | 130〜145cm | 10〜11歳 | 15cm |
| L | 140〜155cm | 12歳 | 16cm |
| LL | 150cm〜 | 13歳 | 17cm |
ミズノの場合
ミズノは学年で目安を示しています。
| サイズ | 学年の目安 |
|---|---|
| M | 小学2〜4年生 |
| L | 小学4〜6年生 |
| LL | 小学5〜6年生 |
実寸に直すと、おおよそ次のようになります。
| サイズ | 実寸の目安 |
|---|---|
| SS | 約26.7cm(10.5インチ) |
| S〜M | 約27.3cm(10.75インチ) |
| L | 約27.9cm(11インチ) |
| LL〜 | 約28.6cm〜(11.25インチ〜) |
ここが落とし穴:メーカーで基準が違う
同じ「M」でも、メーカーが違えば実際の大きさは違います。
さらにミズノには、一般用で使う数字表記(サイズ8=28.0cm、サイズ9=28.5cm。1サイズ=5mm刻み)もあり、少年用のS/M/L表記と混在しています。
「うちの子はMだから、どのメーカーでもM」とはいきません。必ず、そのメーカーのサイズ表を見てください。
手の大きさの測り方
サイズ表の「手の大きさ」は、次のように測ります。
- 手のひらを開く
- 手首のシワから、中指の先までの長さを測る
- その数字を、メーカーのサイズ表と照らし合わせる
自宅にメジャーがあれば1分で終わります。この1分で、数千円〜1万円の買い物の精度が変わります。
試着できるなら、必ず試着を
実際にはめてみて、指先に1〜2cmの余裕がある状態がちょうど良いサイズです。
- 指がパンパンで動かない → 小さすぎ
- 手を振ると中で手がずれる → 大きすぎ
買う前に必ず確認すること:軟式か、硬式か
これを間違えると、そもそも試合で使えません。
小学生の学童野球はほとんどが軟式ですが、チームによって異なります。またクラブチームでは硬式を使うところもあります。
入るチームの指導者に、必ず先に確認してください。「少年野球用」と書いてあっても、軟式用と硬式用は別物です。
ポジション別は、まだ気にしなくていい
グローブには「投手用」「内野手用」「外野手用」があります。
ですが、始めたばかりの子には必要ありません。
- 低学年のうちは、守る場所がころころ変わります
- ポジションが固定されるのは、早くても高学年から
- 最初の1つはオールラウンド用(どこでも使える形)で十分です
「内野手用を買ったのに外野を任された」——これは実際によくある話です。ポジション専用は、2つ目からで間に合います。
まとめ:最初の1つの選び方
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 軟式か硬式か、チームに確認する |
| 2 | 手首のシワから中指の先までを測る |
| 3 | そのメーカーのサイズ表と照らす |
| 4 | オールラウンド用を選ぶ |
| 5 | 試着して、指先に1〜2cmの余裕を確認 |
| 6 | 大きめは買わない(大きくても1サイズ上まで) |
グローブは「安い買い物」ではありません。ですが、サイズさえ合っていれば、5,000円台のグローブでも子どもはちゃんと捕れます。
逆に、3万円のグローブでもサイズが合っていなければ捕れません。
値段より、まずサイズです。
出典・参考
※サイズ表記はモデルによって異なる場合があります。購入前に必ず各メーカーの最新情報をご確認ください。
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