バットを買って1年。私は「拭く」以外に何もしていませんでした。
グローブには油を塗るのに、バットには何をすればいいのか——誰も教えてくれませんでした。
そこでメーカーの公式ページを読みました。結論から言うと、手入れは「拭くだけ」で合っていました。
ただし、公式が「やめてください」と書いていることが4つあって、そのうちのいくつかを、私は知らずにやりそうになっていました。
この記事の値段と公式の記載は、すべて2026年9月時点のものです。バットはモデルによって注意書きが違います。お手持ちのバットの説明書も必ずご確認ください。
結論:手入れは「乾いた布で拭く」だけ。禁止事項が4つある
- 手入れは、使ったあとに乾いた布で拭く。基本はこれだけです
- やってはいけないことが4つあります。どれもメーカー公式に書いてあります
- クリーナーは「汚れ落とし」。傷は消えません。公式がはっきり書いています
- バットクリーナーは火気厳禁の危険物です。子どもに持たせる道具ではありません
バットの手入れは、基本「拭くだけ」です

グローブのように、油を塗る必要はありません。ミズノの公式商品ページには、こう書かれています。
使用された後は、土・砂・石灰などをきれいに拭いてください。
それだけです。使ったら拭く。これが基本でした。
もう少し詳しい手順は、ミズノ公式の記事(木製バットについての記事)に書かれていました。
- 毎回使用後は汚れを拭き取りましょう
- 汚れは必ず乾拭きする
- 雨に濡れたらすぐに拭く
ここは正確に書きます。この3つは「木製バット」について書かれた記事の記載です。少年野球で多い金属バットやビヨンドマックスについて、ミズノが同じ言い方をしているページは見つけられませんでした。
ただし「使ったら乾いた布で拭く」という点は、ビヨンドマックスの商品ページにも書かれています。やることは同じと考えて問題ありません。
さらに、ミズノのユーザーサポートにはビヨンドマックス専用のお手入れ方法がありました。こちらは木製バットの記事ではなく、ビヨンドマックスそのものについての公式情報です。
バットについた汚れを落とす場合には、乾いたタオル等で拭いてください。
また、打球部が汚れた際には、専用のバットクリーナーを布等に塗布して拭き取ってください。
シンナー等の溶剤は使用しないでください。溶解・変質する恐れがあります。
シンナーなどの溶剤は使わない。ここは覚えておいてください。
——バットは拭いていますか?
気づいたときに拭いています。毎回ではありません。
やっているのはほとんど子どもです。ときどき、一緒にメンテナンスをやっています。
公式が「やめてください」と書いていること4つ
ここからが本題です。以下はすべて、メーカーの公式ページに書かれている文章です。
① バッティングセンターで使わない
バッティングセンターの使用には適していませんので使用しないでください。
うちが使っているビヨンドマックスレガシー(1CJBY18380)の商品ページに、この一文があります。
「せっかく買った高いバットだから、バッティングセンターでも使わせよう」——これが、いちばんやりそうな失敗です。
メーカーが名指しで「使用しないでください」と書いています。バッティングセンターでは、備え付けのバットを使ってください。
なぜダメなのでしょうか。理由も、ミズノのユーザーサポートに書かれていました。
バッティングセンターのボールは多数の方が使用されるので、耐久性のよいボールを使用してます。
そのためにボールが重く・硬いためバットが早く壊れる恐れがあります。
悪いのはバットではなく、ボールのほうでした。たくさんの人が打つので、バッティングセンターのボールは長持ちするように重く・硬く作られている。それを打つとバットが傷む、という理屈です。
——ご存じでしたか?
この記事を書くまで、まったく知りませんでした。
バッティングセンターには、うちのバットを両方とも持って行っていました。45,000円のビヨンドも、金属バットもです。
責めるつもりはまったくありません。私がそうでした。
ただ、次からは備え付けのバットを使ってください。自分のバットの寿命が縮みます。
② 用途に合わないボールを打たない・地面を叩かない
バットに表示された硬式・軟式・ソフトボールなどの用途に合ったボールに使用してください。用途以外のボールに使用したり、石や地面を叩いたりしないでください。
軟式用のバットで硬式球を打たない。これは分かります。
問題は後半です。「石や地面を叩かない」。子どもは、打席に入る前にバットで地面をトントンと叩きます。プロ野球選手がやっているからです。あれを、公式は「やめてください」と書いています。
③ 木製バットは、水で丸洗いしない
頑固な汚れであっても、水で丸洗いしないでください。
ここも正確に書きます。この一文は、ミズノ公式の「木製バット」についての記事に書かれているものです。
では、少年野球で多い金属バットやビヨンドマックスは、どうなのでしょうか。
うちが使っているビヨンドマックスレガシー(1CJBY18380)の商品ページにある「ご使用上の注意」を、全文あらためて読み直しました。汚れについて書かれていたのは、これだけでした。
また、使用された後は、土・砂・石灰などをきれいに拭いてください。
「洗う」という言葉は、一度も出てきません。水洗いを禁じる記載は、見つけられませんでした。
「メーカーが禁止していない」は、「メーカーが勧めている」ではありません。書かれていない、というだけです。
心配な方は、乾いた布で拭くだけにしてください。それで公式の指示は満たしています。
——実際のところ、どうされていますか?
うちはスポンジを使って水洗いしています。そのほうが、泥や砂がよく落ちるからです。
そのあとクリーナーを使って、ウエスで拭き上げています。
これはメーカーが「やってください」と言っている方法ではありません。うちのやり方です。
木製バットでは、絶対にやらないでください。公式が名指しで禁止しています。
④ 木製バットにクリーナーを大量に使わない
木製バットへ大量に使用されると塗装が剥がれる可能性がありますのでご注意ください。
ミズノのバットクリーナーの商品ページにある注意書きです。少年野球では木製バットは少ないですが、中学・高校で木製を使うようになったら、この一文を思い出してください。
手入れより効くかもしれない話:打つ面を変える

これは私がまったく知らなかったことです。同じ商品ページに、こう書かれていました。
より長くご使用いただくために、打球点が集中することを避け、バットは打撃面を変えて打ってください。
バットは丸い棒です。当然、同じ面ばかりで打つと、そこだけが傷みます。
言われてみれば当たり前ですが、誰も教えてくれません。素振りのときに、ときどきバットをくるっと回す。それだけで寿命が変わる、とメーカーが書いています。
クリーナーを買うかどうか迷う前に、「打つ面を変える」と子どもに伝えるほうが早いかもしれません。お金がかかりません。
——ご存じでしたか?
知りませんでした。そもそも、打つ面を変える必要があること自体を知りませんでした。
——それで、どうされましたか?
知ってすぐ、子どもに伝えに行きました。
子どもも理解したようで、納得していました。
お金は1円もかかりません。伝えるだけです。この記事でいちばん費用対効果が高いのは、たぶんここです。
黄ばんできても、故障ではありません
ビヨンドマックスは、打球部がウレタン(やわらかい素材)でできています。使っているうちに色が変わってきます。
4万円を超えるバットが変色したら、不安になります。公式は、こう書いています。
マークカラー、ウレタンシートは変色する場合がございます。また使用時および保管時の環境条件により早期に変色する場合もございますが品質上問題ありません。
変色は、品質の問題ではありません。そういうものだ、と公式が明言しています。
もうひとつ、新品を開けたときに不安になる点についても書かれていました。
打球部の先端側およびテーパー側にてウレタン打球部の組付け上多少隙間が空くものや段差があるものもありますが安全面、性能面どちらにも影響を及ぼす内容ではなく品質上問題ありません。
これは知っておくと安心です。買ったばかりのバットに、わずかな隙間や段差があっても不良品ではありません。
4万円を超えるバットです。開けた瞬間に段差を見つけたら、私なら店に電話していたと思います。
——1年使ったビヨンドは、いまどうなっていますか?
少し変色しています。経年劣化は否めません。
それと、ウレタン同士のつなぎ目や、トップとグリップの部分の隙間が、広がってきています。
上に引用した「隙間や段差があっても品質上問題ない」は、作ったときからある隙間の話です。使ううちに広がってきた隙間は、別のことです。
公式の「ご使用上の注意」には、こう書かれています。
バットの耐久性には限度があり、使用回数が重なると疲労・劣化現象により亀裂、へこみ、はがれなどが生じます。
異常が生じた場合には使用しないでください。
大丈夫かどうかを、私が判断することはできません。気になったら、買ったお店に現物を見せてください。
グリップは、手入れでは守れません
——ほかに、傷みはありますか?
傷は多数あります。
グリップも摩耗ですり減って、滑りやすくなってきていたので、店舗で新しいグリップを巻いてもらいました。
拭いても防げない消耗があります。グリップはその代表です。握るところなので、当たり前といえば当たり前でした。
グリップは巻き替えられます。滑るようになっても、バットそのものを買い替える必要はありません。
うちはお店でやってもらいました。滑るまま使わせるほうが危ないです。
保管のしかた

ミズノ公式の記事(こちらも木製バットについての記事)には、保管方法がこう書かれています。
- 直射日光が当たらず風通しがよい場所に置く
- 梅雨のように湿気が多い時期は、バットケースに乾燥剤と一緒に保管する
- 垂直に立てて保管する
玄関に横に転がしておく、車の中に置きっぱなしにする——どちらもよくなさそうです。
——どこに保管していますか?
玄関に、自作の野球グッズ用の棚を置いています。
そこに立てて置いています。
たまたまですが、公式の「垂直に立てて保管しましょう」と一致していました。
棚は買ったものではありません。作りました。道具が散らかるので置き場所が必要だったのですが、作ったほうが安く済みました(1年目にかかったお金の記事に書いています)。
高いバットは、直せることがあります
これは、この記事を書きながら知りました。ビヨンドマックスのウレタンは、交換できます。
ご購入店、もしくはミズノ野球用品取説店へお申出ください。
本体の摩耗及び大きい傷、凹みなどがある場合は、修理不可になります。
交換は1回限りです。
「本体の摩耗及び大きい傷、凹みなどがある場合は、修理不可」と書かれています。つまり傷みすぎると、直してもらえません。
「大きい傷」の基準は公式に書かれていないので、気になったら早めにお店で見てもらってください。そして交換は1回限りです。
バットクリーナーを買う前に、知っておきたい3つ
うちはミズノのバットクリーナー(1GJYA39000/2,090円/140ml)を使っています。買う前に知っておきたかったことが3つあります。
① 傷は消えません
あくまで汚れ落とし用になりますので、傷を落とせる効果はありません。
メーカーがはっきり書いています。「クリーナー」という名前から、傷や打痕がきれいになると期待すると、がっかりします。落ちるのは汚れだけです。
② 火気厳禁の危険物です
商品ページの表示は、こうです。
第一石油類、危険等級II類、火気厳禁
主成分はエステル、エタノール。アルコールが入っているため、航空便で送れないとも書かれています。
「自分の道具は自分で手入れしなさい」と言いたくなります。ですが、これは火気厳禁の危険物です。
クリーナーを使う作業は、親がやってください。子どもにやらせるなら、乾いた布で拭くところまでにしておくのが安全です。
③ 品番が2つあります
ミズノのバットクリーナーには、1GJYA39000 と 1GJYA36000 の2つがあります。名前がほとんど同じです。
うちで使っているのは1GJYA39000(140ml/2,090円)のほうです。買うときは品番を確認してください。
【体験談】うちのビヨンドでは、伸びませんでした
ここからは、この記事を書いている私自身の話です。ミズノのバットクリーナーを2026年5月から、約4か月使っています。
——ミズノのバットクリーナーは、使ってみてどうですか?
ビヨンドには向かないと思います。
液体ですが、揮発してすぐに乾いてしまうので、ビヨンドの素材と相性が悪く、液体がバット全体に伸びません。
消費が激しくなってしまうのがデメリットです。
公平のために、メーカーの表示も載せます。ミズノ公式には「木製、金属製、カーボン製、ビヨンドマックスにも使用できるバット用汚れ落とし」とあります。使えないわけではありません。
食い違っているのは「使えるか」ではなく「使いやすいか」です。使えるけれど、うちのビヨンドでは伸びが悪く、量がたくさん要った——これがうちで起きたことです。
手入れ用品の使い分けについては、グローブの型付けとお手入れの記事に詳しく書きました。うちにあるクリーナー3本を比べています。
調べても分からなかったこと
正直に書きます。この記事を書くにあたって、確認できなかったことが2つあります。
- ビヨンドマックス専用のお手入れページ … ミズノのサポートサイトに存在しますが、2026年9月時点で私の環境からは閲覧できませんでした(エラーになります)
- 「どれくらいの頻度で拭くか」の公式な目安 … ビヨンドマックスについては、見つけられませんでした
検索すると、この2点について書いている個人のサイトはたくさん出てきます。ですが、私自身が公式ページを開いて確認できていません。だから、この記事には書きません。
まとめ:今日からできること
- 使ったら、乾いた布で拭く。まずはこれだけ
- 「打つ面を変えて打つ」と子どもに伝える。公式が寿命のために書いていることです
- バッティングセンターには持っていかない
- 地面をトントン叩かない
- 横に転がさず、立てて保管する
クリーナーは、この5つをやってから考えても遅くありません。2,090円は、子どもの道具にとってけっして小さい金額ではありませんでした。
※正式には小学生の軟式野球は「学童野球」ですが、本記事では一般的な呼び方に合わせて「少年野球」と表記しています。
出典・参考
- ミズノ公式オンライン|小学生軟式用ビヨンドマックスレガシー トップ(1CJBY18380)
- ミズノ公式オンライン|バットクリーナー(1GJYA39000)
- MIZUNO MAGAZINE|硬式木製バットのおすすめ3選!具体的な選び方やメンテナンス方法などを解説
- ミズノ ユーザーサポート|【バット】バッティングセンターでの使用
- ミズノ ユーザーサポート|【ビヨンドマックス】お手入れ方法
- ミズノ ユーザーサポート|【ビヨンドマックス】修理について(ウレタン交換・修理の依頼方法)
※価格・仕様はモデルによって異なる場合があります。購入前に必ず各メーカーの最新情報をご確認ください。

